あなたの「機械設計」の経験は、宇宙でどう活きる?地上の仕事との共通点と違い
こんにちは、インバイトユー編集部です。
前回の記事「求人と求職者のデータから見えた、宇宙業界へいま「最も転職しやすい」職種【2026年8月版】」では、宇宙業界の求人の約6割が「ものづくり」系エンジニアであることをご紹介しました。
今回からは、職種ごとに「いまの仕事が宇宙でどう活きるのか」を掘り下げるシリーズ
「あなたの仕事を宇宙に置き換えると?」をお届けします。
第1回は、求人の中で最も割合が大きい「機械設計」です。
1)宇宙業界の求人の約2割は「機械系」エンジニア
インバイトユーがお預かりしている求人のうち、最も割合が大きい職種が機械系です。
2026年8月時点で、求人全体に占める機械系エンジニアの割合は約21%。IT系(約18%)、電気電子系(約17%)を上回り、職種別でトップとなっています。
背景にあるのは、人工衛星やロケットを「研究開発」から「量産」へと進めようとするNewSpace企業の広がりです。機械・電気電子・制御系の求人のうち約7割はNewSpace企業からのもので、宇宙機を「つくる人」へのニーズが高まっていることが分かります。

一方で、機械系の求人と求職者の倍率は約1.1倍と、ほぼ釣り合っています。だからこそ、ご自身の経験が宇宙のどの仕事につながるのかを具体的に伝えられるかどうかが、転職の決め手になるということですね。
2)あなたの仕事を宇宙に置き換えると?
宇宙の機械設計は、地上のものづくりの延長線上にあります。
「宇宙の仕事」と聞くと特別な世界に思えるかもしれません。でも実は、人工衛星もロケットも、構造・熱・機構・配管といった機械の要素の組み合わせでできています。いまのお仕事の「対象」を宇宙に置き換えてみると、意外なほど多くの共通点が見えてきます。
例えば、自動車や産業機械の構造設計・強度解析は、打ち上げ時の大きな力に耐える衛星やロケットの構造設計に。家電や電子機器の放熱設計は、真空で風が使えない環境での「熱設計」に。精密機器やロボットの機構設計は、宇宙で太陽電池パネルやアンテナを広げる「展開機構」の設計につながります。

ご自身のお仕事が図のどこに近いかを探してみてください。ぴったり当てはまらなくても、近い行があれば十分です。
3)知っておきたい、宇宙ならではの「3つの違い」
共通点が多い一方で、宇宙ならではの条件もあります。あらかじめ知っておけば、不安は小さくなります。
1つ目は「打ち上げたら直せない」ことです。地上の製品なら故障しても修理や部品交換ができますが、宇宙に出た衛星は、ほとんどの場合、手を入れることができません。そのため、設計段階での検証や試験がとても重視されます。
2つ目は「重さへのこだわり」です。打ち上げにかかる費用は重さに大きく左右されるため、強度を保ちながら少しでも軽くする工夫が求められます。
3つ目は「真空と大きな温度差」です。空気がないため風で冷やすことができず、日の当たる面と当たらない面では温度が大きく変わります。

どれも、地上で「品質」「軽量化」「熱」に向き合ってきた方なら、考え方の土台はすでにお持ちのはずです。
4)入社後に学べること、最初から求められること
宇宙の専門知識は、入社後に身につけている方がたくさんいます。
宇宙業界への転職を考える方からは、「宇宙の専門知識がないと難しいのでは」という声をよく伺います。実際に最初から求められるのは、力学の基本をふまえて設計できること、解析や試験の経験があることなど、地上のものづくりで培われる力です。
一方、宇宙環境の特徴や宇宙機ならではの試験の進め方といった知識は、入社後に現場で学んでいく方が多いのが実情です。以前インタビューした小型SAR衛星の開発・運用を手がける株式会社Synspectiveでも、「社員の6〜7割は宇宙や衛星について未経験で入社し、1〜2年で重要な戦力になっている」とお話しいただきました(インタビュー記事はこちら)。
5)実際に、こんな転職が生まれています
地上のものづくりから宇宙へ、経験をそのまま活かした転職がすでに生まれています。
インバイトユーがこれまでにご支援した方の中には、自動車業界でエンジン開発に携わっていたエンジニアがロケットエンジンの開発へ、建築・建設業界で構造解析を担当していたエンジニアが衛星の構造設計へと転職されたケースがあります。
どちらのケースも、扱う対象は変わっても、「燃焼」や「構造」といった専門性の軸は変わっていません。宇宙業界の中心にいる方々も、異業種で培われた技術や経験が宇宙産業を活性化させると考えています(関連記事はこちら)。
6)まとめ
まずは「機械設計」をひとくくりにせず、ご自身の強みを工程ごとに棚卸ししてみましょう。
同じ機械設計でも、構造、熱、機構、配管、試験、生産設備など、得意な領域は人によって違います。どの工程に強みがあるかによって、宇宙業界で活躍できる場面も変わってきます。
インバイトユーでは、宇宙業界の求人をよく知るキャリアアドバイザーが、あなたの経験が宇宙のどの仕事につながるかを一緒に整理します。「まだ転職するか決めていない」「情報収集から始めたい」という段階でも大歓迎です。プロの視点でのキャリアの棚卸しに、ぜひ『キャリアの無料相談』をご活用ください。
次回は「電気電子」編をお届けする予定です。
※データについて
本記事の求人に関するデータは、2026年8月時点でインバイトユーがお預かりしている求人をもとに集計したものです。また、図2・図3は宇宙業界の仕事のイメージをつかんでいただくための一例です。いずれも業界の傾向をつかむための参考としてご覧ください。
弊社サービス紹介
弊社インバイトユーは、宇宙ビジネス専門の転職支援および採用支援サービスを行っています。宇宙関連企業との独自のネットワークを活かし、まだ多くの人材に認知されていない【宇宙で働く】という選択肢をご提供しています。記事をお読みになり、ご自身の経験が宇宙業界でどう活かせるか気になった方や、少しでも話を聞いてみたいなとお感じになられたら、ぜひ『キャリアの無料相談』をご活用ください。情報収集だけのご相談も歓迎しています。お気軽にお問い合わせください。


