転職を検討する前に読む「宇宙ビジネス」のこれまでとこれから

こんにちは、インバイトユー編集部です。
宇宙ビジネスと聞いて「業界未経験の私には、遠い存在で関わりのない領域」と思われるかもしれません。そんなあなたに向けて、インバイトユー編集部は宇宙ビジネスをざっくりと理解するための情報をお届けしていきます。
今回の記事では、宇宙ビジネスの変遷と業界構造を探り、将来に向けた取り組みを紹介します。宇宙ビジネスで働く将来像や魅力を少しでも感じていただければと思います。

1)宇宙ビジネスの変遷〜国家間の威信をかけた宇宙開発から民間主導による宇宙ビジネスへシフト

宇宙ビジネスの歴史は、20世紀中頃の宇宙競争時代にその起源を見出すことができます。アメリカとソビエト連邦が宇宙への到達を国家の威信として競い合ったこの時期、人類は初めて宇宙空間への足跡を残しました。しかし、冷戦終結後、宇宙開発のペースは一旦鈍化します。
21世紀に入ると、宇宙産業の風景は大きく変わり始めます。特に、イーロン・マスク氏やジェフ・ベゾス氏などの資産家かつ経営者が参入したことで、商業化への道が大きく開かれました。

2)業界構造〜3つの分野に分岐し、発展する宇宙ビジネス業界

近年、世界各国では宇宙開発を通じて獲得した技術やノウハウの発展を、なるべく民間に任せる流れが進んでいます。コストやスピードといった民間で培われたノウハウも活用し、より容易に宇宙へのアクセスを実現させることが期待されています。
そして宇宙へのアクセスにとどまらず、「人工衛星を利用」して地球での生活に活かすビジネス。真空や微小重力といった地球上には無い環境である「宇宙空間を利用」したビジネス。さらには月や惑星などの宇宙空間へ人類が活動エリアを拡げていくためのビジネス。と、多種多様なビジネスへと発展しています。
このように多様化した現在の業界構造は、大きく「宇宙製造・インフラ」「宇宙利用」「宇宙探査」の3つに分類されます。各分野の概要と業界マップを紹介します。

2-1.宇宙へのアクセスを容易にし、新たなビジネスの基盤を担う「宇宙製造・インフラ」分野

宇宙製造・インフラは、ロケットや衛星などの製造から地上設備や軌道サービスに至るまで、宇宙活動を支える基盤を担っています。
再利用可能なロケットの開発や小型ロケット市場の拡大により、宇宙へのアクセスコストの低減を実現しつつあります。これにより、宇宙利用や宇宙探査を含めた新たなビジネス機会の創出につながっています。

2-2.人工衛星・宇宙空間を利用し、地球の暮らしの役に立つ「宇宙利用」分野

宇宙利用は、衛星通信、地球観測、GPSなど、「人工衛星」や「宇宙空間」を活用したサービスを指します。
これらのサービスは、日常生活における通信の向上、災害時の対応、農業や都市計画などの分野での意思決定支援に貢献しています。また衛星活用による新興国を含む多くの地域でデジタルデバイドの解消。宇宙空間を利用した発電や新薬の開発などが期待され、新たなビジネス機会が広がっています。

提供:宙畑 https://sorabatake.jp/216/

2-3人類が宇宙空間へ活動エリアを広げる「宇宙探査」分野

宇宙探査は、科学的な知見を深めるための遠い宇宙への探査ミッションや、月や火星への有人・無人ミッションを含みます。
これらは、新技術の発明だけでなく、将来的な宇宙資源の利用や宇宙における人類の居住可能性の探求にも繋がります。この分野は今後も国家が主導となるものが多いですが、月面開発や火星探査への参画を発表する民間企業も増えています。

提供:宙畑 https://sorabatake.jp/216/

3)市場予測〜これから10年で大きく成長する宇宙ビジネス市場

2024年4月に公表された世界経済フォーラムのレポートによると、世界の宇宙ビジネスの規模は、2023年時点で6300億ドル(約88兆円)。そして2035年には、1兆7900億ドル(約250兆円)と予想されています。
日本においても、大手企業による新規参入のみならず、大学などから100社を超えるスタートアップが生まれています。その中から2023年以降ispace、QPS研究所、アストロスケールホールディングスなどが上場しました。また政府も宇宙基本計画で2030年代の早期に市場規模倍増という目標を掲げています。実際に宇宙戦略基金やSBIR推進プログラム、また衛星データプラットフォームの開発などの取り組みや支援策を拡充しています。
*1ドル140円で計算

Space: The $1.8 Trillion Opportunity for Global Economic Growth」より引用
Credit : World Economic Forum

4)日本初、世界初の独自技術で人類の進歩に貢献する宇宙ビジネスへインバイトユー

このような市場環境の変化や新興勢力の台頭により、宇宙関連技術の民間への普及は加速しています。宇宙へのアクセスコスト低減、デジタルデバイド解消、宇宙資源の活用や人類の居住可能性の拡大など、新たな日常はもうすぐです。企業規模を問わず、独自の技術やアイデアで日本初、世界初の技術やサービスを目指し、人類の進歩に貢献する機会が溢れています。

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*今回の業界マップは、宇宙ビジネス関連の情報を数多く発信し続ける「宙畑(https://sorabatake.jp/)」さまより提供いただきました。以下の記事に宇宙ビジネス各業界のプレイヤーやトレンドについて、詳しい解説がありますので、合わせて確認ください。